名称の由来
 108を
テン・エイトと読みますご承知のように、108=(無限)は人間がもつ煩悩の数です。除夜の鐘は、この煩悩を断ち切るために鐘を突きます。NET108はこの煩悩を少しでも満たすために、最終目標として108人以上のネットワークをつくり活動します

●目的:人生をおおらかに生きること
会員資格&規則:資格は趣旨に賛同した岡田の知人、友人、及びそれらの紹介者ですとくに、義 務、会費は不要です
●発行物
:HP「NET108」上で発表。
●ビジネスが発生した場合は、それぞれの関係者で話し合って決める。
●趣旨に反した言動が見られるときは、会員資格を失う。
●会員には日記更新をお知らせする。
 

●おおらかに生きる方法は、明日の心配ごとを考えないで、今日生きていることに感謝して精神的に充実させることだと考えます。年老いてきますと、不安が募ってきますが、それは先(死)を見てしまうからでしょう。先は誰にも分りません。分らないことは考えないことです。そして開き直り、諦めることです。


人生道場主の自己紹介です:

 岡田清治(おかだ・せいじ)、昭和17年9月3日、大阪市に生まれる。昭和41年から平成15年6月まで、産業専門の新聞社に勤務。その間、記者、出版部長、編集局長、取締役等を歴任、特別顧問を最後に退任。その後、NPO法人WS西日本(HP:http://www.ws-w.jp/)の共同代表に就任。NPO法人マスコミ駆け込みクラブ(東京)理事。

 NET108設立、代表に就く。メルマガ(無料)発行、執筆活動のほか、企業顧問等、大阪企業家フォーラム(学会)会員http://www.kigyoka-forum.jp/ またエレガンス会、カオスなど異業種交流会メンバーとして活動。趣味はハイキング(山岳部出身)、映画鑑賞、旅行、写真、グルメ、街見物、仏教、カタクリの花、読書。著書「守成の経営」等多数。



【プロフィール】

岡田清治(おかだ・せいじ) 

 
ジャーナリスト

 得意分野:取材、企画、編集、デジカメ撮影、写真加工、テープ起し

  (評伝、ルポ取材、インタビュー、人間(サラリーマン)にまつわる企画など)

E−mail  okada007@sea.plala.or.jp

  【執筆実績】

   季刊情報誌『Brain Trust』企画原稿

   『大商ニュース』(発行:大阪商工会議所)「核心を聞く」、「流れを読む」

月刊誌『商工会』(発行:株式会社全国商工出版サービス)「巻頭コラム」
(森永卓郎氏、加来耕三氏と輪番で執筆)

 大手企業の『社内報』の特集記事など

    月刊誌『TARU』(発行:たる出版株式会社)「関西の風」

    日本医療企画の月刊誌『ホスピタウン』に名医取材、執筆

【最近の経歴】

季刊情報誌『Brain Trust』(名古屋)編集長

NPO法人WS西日本(大阪)元共同代表 http://www.ws-w.jp

NPO法人マスコミ駆け込みクラブ(東京)理事
 http://www.masukomi-kakekomi.com

NET108(NETテン・エイト、東大阪)代表、企画、編集、取材、執筆グループ運営のほか、

 HP:「人生道場―独人房(どくじんぼう)」(個人のHPで日記を執筆、意見発表)
   http://www15.plala.or.jp/NET108/

ニュースリリース製作・発信事業(大阪商工会議所・共同通信ワイヤー・NPO法人WS西日本3社の共同事業):元担当

【略歴】   

1942年(昭和17年)9月3日、大阪市内に生まれる

1966年(昭和41年) 同志社大学工学部卒、在学中、同志社アーモスト館(新島襄卒業の米国アーモスト大学が寄贈した特殊寮)に在籍、大学公募論文で『新島襄と科学』で特別賞授与。
職歴:日刊工業新聞記者、流通サービス新聞編集長、出版書籍部長、編集局長、取締役大阪支社長、2003年

6月特別顧問退任

系譜:父は直木賞作家・岡田誠三、祖父は陽明学者の岡田播陽

 著書】

『守成の経営』(PHP研究所,京都の老舗経営)

『守破離の経営』(現代創造社、帝人の大屋晋三社長死後のドラマ)

『しんぼうの木は実る』(現代創造社、椿本チェーン中興の祖、大阪商人の源流)

『アートテクノ サントリーの技道』(日刊工業新聞、技術者物語)

『永遠の1号 海軍兵学校最後の1号生』(日刊工業新聞、敗戦後、海兵から企業社長に上りつめた7人の人生ドラマ)

『リヨンで見た虹 稲畑勝太郎評伝』(日刊工業新聞、日本に映画を持ってきた男)

『バイオの世界』(日刊工業新聞、共著)

『熱―現状打破のジョイフル創業期』(出版文化社、ファミレス・ジョイフル創業者、穴見保雄の評伝)

  『こころの遺言書』(ケイ・アソシエイツ、河内誠一のゴーストライター)

 その他論文、講演記録多数。人間探求がライフワーク

●評伝が得意分野で、吉忠(京都)、渡辺病院(名古屋)、山本光学(大阪)、赤福(伊勢市)、西利(京都)、ワタミ(東京)、無茶々園(愛媛)、光生会(岸和田、高野山)、東海バネ工業(大阪),、関西メディカルネット(京都)、PHP(京都)のほか多数。

上記以外の実績:雑誌『PHP』商品開発物語、雑誌『道経塾』、雑誌『クオリティマネージメント』など、執筆。

・企業家フォーラム(学会)で「企業永続の秘訣ー守成の経営」(2004年7月発表)

・大阪サイエンスクラブ『会報』(209)に「地球深部探査船“ちきゅう”見学記

・神戸大大学医学部(膠原病研究グループ)、農学部(大麦バイオ研究グループ)研究取材等ほか、水素プラント、PSD、経営会議

・松下電器・松下正治氏、シャープ・佐々木正氏、京セラ・稲盛和夫氏等、「大阪企業家ミュージアム」の ビデオライブラリーのインタビューアー務める

大阪サイエンスクラブ『会報』(217)に「南半球の視点」

【 講 演 】

オリックス広報グループ、中小企業金融公庫、大阪府、兵庫工業会、姫路商工会議所、相生商工会議所、幕張結婚メッセ、千葉労働監督署、大津商工会議所、草津商工会議所、島津製作所役員会、関西化学工業協会、大阪産業人クラブ、彦根商工会議所、粉体工業会、関西発明協会、住友化学広報グループ、大阪北ロータリークラブ、香川、広島新聞販売店協会、明石産業振興協会、企業広報協会、皮革産業協会、滋賀縫製協会、企業家研究フォーラム、建設会社、京都放送、ナカテック、カオスの会、北大阪商工会議所、赤穂商工会議所

連絡先携帯:090−7091−1199 岡田清治   E−mail:okada007@sea.plala.or.jp


     現有の企画

@「人の死を迎えてー死にまつわるドキュメント」A「雑誌・評伝まとめ」B「ニューギニア戦地再訪記(予定)」B「サラリーマン生き方」など。

以上






【日記の続き・講演会「葬送の自由をすすめる会・関西支部主催」

 
2005年1月22日(土)エルおおさか
 講演会プログラム
1.ビデオ上映
2.講演「本会10年の歩みを振り返って」本会会長安田睦彦氏
3.講演「関西支部 今後の方向」関西支部世話人代表高橋淳雄氏
4.講演「納得できる葬儀とは」葬儀ネット代表吉澤武虎氏

 安田会長は「この15年間で、本会が自然葬を行った回数954回、1,624人で、場所は海、山、一部自宅の庭で実施しました。同会メンバーが自然葬を行う場合の費用は、場所によって異なるが、10−20万円程度」だそうだ。これは市民運動で、ボランティアの協力があるからだそうです。最近、自然葬ビジネスが全国的に葬儀業者が行うようになってきたが、その場合は50万円以上取られるという。安田氏によれば、野山を破壊しないだけ、ましだということで業者の相談にも乗っているという。北海道では業者と周辺地区の住民の間でトラブルも起きている。それは、自然葬をされると、農家などは風評被害にあい、「気持ち悪くて、あんたところの野菜は食べられない」とか、「地下水が汚れる」といったことでトラブルになるそうだ。


 「いまも日本人は遺骨、遺体を忌み嫌う。99%は火葬されているが、東京の青梅市の一部やその向こうの山梨の一部で土葬が行われているところがあるが、そいうところでは文句が出ない」そうだ。本来、明治政府が火葬を推奨したのは、公衆衛生上の問題と土地が狭く、土葬できなくなってきたためである。火葬について、関西は自治体が行うので、民間が行う関東より比較的安いそうだ。「広大な中国や、インドでも河への散骨が盛んに行われている」という。ライシャワー、元労働大臣ら、多くの著名人も自然葬を行っている。横山やすしもモーターボートが好きだったことから、海に散骨したが、TV放映で関節骨が見えたので、同会に「あんな散骨やっているのか」と、同会とは関係なかったが、自然葬ということで抗議を受けた。実際は米粒程度に砕いて、散骨している。

 
 葬儀ネット代表吉澤武虎氏は葬儀コーディネーターの肩書きをもっており、納得のいく葬儀の手助けをしたいと、「有限会社・木霊(こだま)と凪(なぎさ)」を設立、自然葬にも積極的に協力している。吉澤氏の話で、まず驚いたのは、「ある内部告発で明らかになったところによると、葬儀社は病院の指定を受けるために、死体一体に付き2,000万、年間15体、事務局長に4,500万円等々、計、年間4億5千万円の投資ををさせられるので、葬儀費は自ずから高くなる」という。葬儀社は見積りで、その費用を祭壇費に上乗せしないと赤字になるそうだ。
 

次に助言として葬儀社に言ってはならない3つの禁句@初めてで何も分りませんA普通でいいですBお任せしますーだそうです。全日本仏教会(8万寺院のうち、9割以上加入)は「戒名料が仏教の不信を招いているというので、廃止を通達しているが、それを止めたという坊さんを知らない」という。「死んだらどこへ行くと思いますか」と、吉澤氏が聴衆に聞くと、「天国(キリスト教徒=1%)、無になる(大半の人が手を挙げる)、あの世(にわか仏教徒=94%が仏教葬式を行う)、自然(じねん)と読む、これは神道の人たちで、4.2%が神式の葬儀を行う」というのが、現実である。葬式費用の全国平均は385万円、自分流葬の場合、50万〜70万円。自分の葬式をするためには、日ごろから、親族や友人に「自分流葬儀のスタイル」を伝え、登録しておかないと、遺族の間で、もめることになるそうだ。また、身近に理解ある(合理的な葬儀を親切やってくれるところ)葬儀社を紹介するネットワークづくりに取り組んでいくという。

 ●問い合わせは関西支部連絡へ:鎌田栄吉氏(電話072−694−8961)




●伝言板


人生道場のホームページhttp://www15.plala.or.jp/NET108/
につきましては、ぜひ他のサイトにリンクしていただいたり、知人にもご紹介いただければありがたいです。


☆すてきなHPを紹介します]

エレガンス会(異業種交流会)
 http://www5f.biglobe.ne.jp/~oka-chan/elegance2.htm
 http://www5f.biglobe.ne.jp/~oka-chan/elegance_mbr1.htm 

●おかちゃんとは、岡田綱一の愛称。エレガンス会で知り合った好男子。この会に岡田姓が三人もいて、私が一番年上。彼のメルマガ、HPは楽しいですよ。
 http://www5f.biglobe.ne.jp/~oka-chan/


 http://www5f.biglobe.ne.jp/~oka-chan/melmaga1.htm



●大阪企業家フォーラム(学会)私も会員で、2004年7月の全国大会で『守成の経営ー企業永続の秘訣、事例・清水建設』を発表しました。興味のある方は下記HPをみてください

 http://www.kigyoka-forum.jp/


●H氏からお奨めのHPの知らせが届きました。楽しいHPですので、是非、ご覧になってください。

 www.sutv.zaq.ne.jp/yuba



●日記(12月29日)で紹介しました、すてきな主婦のHPです。お楽しみください。
 http://www.hcn.zaq.ne.jp/youko/

●日記(1月9日)で紹介しました元外交官、七尾清彦氏のHPです。
シヴィック・エクスペリエンス活動
 http://civex.org 

●2月8日の日記で紹介しました平松氏のHPです。
神楽坂まちの手帖編集長平松南の編集者人生、神楽坂人生がロングインタビューで詳しくキャリナビにアップされました。
URL:http://www.melma.com/mag/38/m00084738/a00000061.html


●東京ライターズバンクSさんのメルマガ(無料)です、ご購読ください。
http://www.mag2.com/m/0000156302.html




●友人Nさん(熊谷市)からのメール(一部引用)です。現役時代は販売一筋で酒好きの男でした。彼の息子を熊谷高校から夏の甲子園へエース投手として送り込んでいただけに、根性はありました。定年後の生き方を見て敬意を払うと同時に、これこそがTEN108の求める人です。

私は今、高等技術専門学校セキュリティーサービス科で学んでいます。米国でのあのテロ事件が冷めやらぬ頃、また独り忠誠を誓い36年間勤めた会社からも投げ出され、私が考えられ得る世の中の仕組み、ハードもソフトもゴミ屑となって不安と焦心で一杯のとき「技術革新が一段と進むとき、豊かさや便利さが増す一方、社会の変化に伴った新たなリスクが生まれ、企業活動や家庭生活などのさまざまな場面で不安感を身に感じる機会が多くなってきた」と考えていました。そんなときにドンピシャなところがあることを知り、このような不安感の無い、安心して生活が送れる社会の構築を図るための知識、技術を学ぼうとし入学しました。
低圧電気(屋内電気工事の資格は取得)また今月31日に合否の発表がある高圧電気(7000ボルトまでの変電設備)の資格の朗報を待っていますがその前に今度の日曜日(9日)は消防設備士の資格取得のためのお受験です。(2005・1・7、N氏のメールより)
    


「人生道場」

●大阪・寺町(てらまち)

現世、極楽浄土の町づくり

             
                     

【一心寺】 

 大阪・上町(うえまち)台地(高台の意味)の一角にある日本最古の寺町。文字通り寺の町で、下寺町一丁目〜二丁目の松屋町筋の南北一・八qに浄土宗を中心とした三十弱の寺院が集まっている。

 「世界中で教会、神社、寺院のどれをとっても、これほど密集している場所はほかにない。生国(いく)(たま)神社から四天王寺一帯を“夕陽(ゆうひ)(がおか)”という地名で分るように西に望む海に沈む美しい夕陽を西方浄土として拝む最適地だった。法然上人もかつて後白河法皇とご一緒に一心寺の地から見事な夕陽を観られた。」(高田恭行・一心寺長老)と話す。当時から夕陽を観る地として寺院が集まり人々が詣でた。

 同じ上町台地でも生野区の住民の四人に一人は韓国・朝鮮籍をもつ人々の住むコリアタウンから見る寺町は「天国に見えます。」(宋悟・コリアNGOセンター代表)と語るように江戸中期の名刹が建ち並ぶ。寺院の多くの創建は豊臣方が徳川家康に敗北を期した夏の陣、一六一五年以降だが、先の戦争でこの周辺も焼け野原になった。だが、八十六体もの仏が焼け残ったという。戦後、厳しい状況下で檀家の支援もあって再建、復興したそうだ。

 いまの仏教は葬式仏教としての役割しかないと揶揄(やゆ)されて久しい。その葬式も戒名、墓の問題を含め社会問題化しているほど、日本人の仏教離れが進行している。そうした時代背景の中で、この寺町の南端にある一心寺と、北端の慶典院は異色な活動の場を提供する寺だ。一心寺は納骨された骨で十年毎に一体の仏を造立している宗派を問わない“お骨佛”の寺として庶民に親しまれている。平成六年に発足、十四年六月に装いも新たに再スタートした「一心寺シアター倶楽」は演劇を中心に落語、浪曲など多種多様の文化活動を行っている。建築家としての顔をもつ一心寺長老の高田氏は、寺町から天王寺公園を含む緑地沿道約二・二qを「茶臼山・夕陽丘プロムナード」と名付けた歴史の散歩道構想として提案、行政、市民に働きかけている。

一方、北端に位置する大連寺の別坊である慶典院は墓も檀家もなく葬式も布教活動も行わない会員制のユニークな寺だ。平成九年に完成したコンクリートの打ちっぱなしの劇場型本堂ホールで演劇のほか芸術文化、介護・福祉や教育シンポ等の活動をNPOやアーティストと協力し合って催し生きた仏教活動を行っている。「寺はかつてから学び、癒し、楽しみの原点です。」と秋田光彦住職は活動趣旨について語る。

昨年、この寺町を舞台に「極楽ストーリー」と銘打って歴史資源を見直す町おこしイベントが行われ、インド様式の本堂をもつ心光寺、法然上人開祖の一心寺、壮大な寺院建築の大覚寺、そして年間三万人の若者が集う慶典院の僧侶たちが生の声で「寺町」を語った。それはまさに現世、極楽浄土を目指しているように見える。極楽に行けるかどうかは、それを思い、信じるしかないのだが・・・。

(出典:雑誌「TARU」2005年2月号関西の風)

NPO法人WS西日本会員  岡田清治

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NET108・花物語・伝言板




●大商ニュース


 『ブレーン・トラスト掲載』           
●花に三春(さんしゅん)(やく)あり


 高齢化社会の現象は、いろんなところに現われている。定年後、毎早朝に散歩する山にも高齢者が
集まってくる。現役時代には、見ることがなかった光景がそこにはある。六十歳の“ヤマ”というこ
とを聞いたことがある。それは人生最後のヤマであり、これを無事に越えた人は七十のヤマ、そして
八十のヤマに向かう。六十歳が大きな分岐点で自然界の山にも、この年代の人が一番多く集まるそうだ。

 もうすぐ春の訪れだ。春になると約束したように春の三ヶ月間(三春)、野山に花が咲く。その花を
求めて野山を高齢者カメラマンンが三脚に望遠レンズをつけて歩き回るグループが目立つ。とくに
女性が多い。誰もが人生で生涯の恩人に出会うように、自分の好きな花を見つける。

 一枝独向雪中開(梅舒適(うめじょてき))=いっし、ひとりゆきにむかいて、ひらく

 梅は他の花に先駆けて雪の中に向かって一番に花開くという。雪といえば、雪割草(ゆきわりそう)
もいい。長い冬の間、雪の下でじっと耐え、春の陽光を浴びるころ雪解けのすき間から明るい展望を
示唆するように可憐な花をのぞかせる。

 私は十年ほど前に出会ったカタクリのとりこになった。毎年、カタクリで村起こしとして取り組んでいる
兵庫県・氷上町の山村に宝石のようなうす赤紫の可憐な花に会うために出かける。カタクリは種子から開花
するまでの期間は八年から十年はかかる。それもブナなど落葉樹林のほとりで腐葉土と適度な湿地そして
薄日さす日当たりの条件が揃う場所でないと群生しない。しかも、開花期間は一週間から十日、それも
午前十時ごろから正午過ぎまで、きわめて短い。

 カタクリサミットが新潟県安塚町雪だるま高原で平成十五年四月に初めて開かれた。これはカタクリ
研究者の河野昭一・京大名誉教授の提唱によるもので、全国の自然愛好家、団体、自治体関係者約二百名
がカタクリの美しさを通じて自然環境を考えようという趣旨で開かれた。昨年は秋田県西木村で開催された。
河野昭一教授によれば「カタクリはユリ科の花で、スプリング・エフェメラル(春の短い命)ともいわれ、
日本列島および北東アジアには一種、ユーラシア大陸に四種、北アメリカ大陸には二十五種と、世界中で
咲く」と言う。

 「カタクリと日本人の付き合いは万葉の昔からあった。−もののふの八十(やそ)乙女らが()みまがふ寺井
の上の堅香子(カタカゴ)の花―大伴家持の歌にあるように、雪深く、暗く寒い冬から開放された春の落葉樹
林の
ほとりで、赤紫の鮮やかな花びらをうつ向きかげんに堅香子=カタクリの花が一面に咲きほころんでいる。そのそば
で寺の井戸水を汲みかう乙女たちが、にぎにぎしくお喋りして,パッと明るくなった北国の情景が浮かぶ」と、
河野教授は説明する。

 カタクリサミットが開かれた安塚の人は「昔は山菜採りでカタクリをおひたしにして食べた」と参加者を
驚かせたが、その昔、根っこの芋でトロミをつける片栗(かたくり)()として用いられたことは知られている。
山鹿の好物らしく時々、群生地が荒らされている報告も聞く。カタクリの魅力は弱々しい細長い茎に目一杯小さな花びらをユリのように反らして陽光を浴びる姿に、いとおしさを覚えるところにあるのだろう。

 『かたくり草』(作詞・作曲 影澤藤峰)を歌手の島智香子がサミットで披露した。

 一度ふまれて倒れても/愛と情けでよみ返り/下を向いては咲くけれど/幸せさかそうかたくり草

 カタクリの花を見て元気と清純さをもらってください。(月刊『商工会』3月号巻頭コラム・岡田清治